パラキャリ酒場Vol.20「会社員+副業だけがパラキャリなの?」イベントレポート!

2020.06.10

ニソクノワラジ

今回は1月28日に行われたパラキャリ酒場「会社員+副業だけがパラキャリなの?」Vol.20を取材してきました!

パラキャリ酒場は『パラキャリ研究所』の高村エリナさんが主催するイベント。お酒を飲みながら、パラレルキャリアをテーマにしたトークセッションを楽しめる企画なんです!

当日は登壇者である志保あかねさんがクラフトビールをちんあなごのグラスで提供していたり、ソーシャルバー『PORTO』の共同経営者である喜屋武悠生さんがバーテンをされていました。

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和やかな雰囲気の中、まずは乾杯からイベントはスタート!

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今回の登壇者は4名のパラレルワーカーの方々。

自ら子会社を立ち上げた渡辺花奈さん

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化粧品メーカーにて美容·ヘルスケア系の新規事業開発に10年間従事。その間、社外のアイデアを集積させる子会社を立ち上げ、運用する傍ら、商品開発、販売員教育、広告宣伝などにオープンイノベーションを導入。
同時に、働きながら大学院に通い、博士号(学術)を取得。大学の非常勤講師も務め、学生のキャリア支援に関わる。
その後「まちづくり」「エネルギー」に特化した企業へ転職。持株会社の経営企画と、子会社の新規事業開発責任者を兼務し、”全社視点”と”プロパー&専門じゃない視点”を武器に、新領域創成とスタッフ育成を行っている。

グループ内複業を行う星野翔太さん

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大学卒業後大手人材サービス会社に入社。大手から中小企業まで幅広い企業の採用·人材育成を担当し、震災後の福島県にて震災復興事業の立ち上げを経験。
その後、中央省庁及び地方自治体と連携した地域企業の人材育成事業や移住促進事業、観光地域づくり事業等を推進。
直近は、副業·兼業等の多様な働き方創出、シェアリングエコノミー推進等による地方創生事業に取り組む。
プライベートでは、キャリアコンサルタントとしての活動やNPOの新事業開発支援などにも取り組む。
趣味は、山に登ること、旅にでること、そしておいしいご飯を食べること。
国家資格キャリアコンサルタント。

NPO法人にプロボノとして参画する太田広司さん

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SIer、ITソリューションベンダー、コンサルティングファームを経て、現在はプロフェッショナルエージェンシー(クリーク·アンド·リバー社)のデジタルマーケティング部門でクライアント向けにデジタルマーケティングやデータ分析に関するコンサルティングサービスの提供に従事。
特定非営利活動法人NPOコミュニケーション支援機構(a-con) 運営メンバー
NPOのマーケティング課題解決に取り組むNPO、a-conに昨年よりプロボノとして参画。運営メンバーとして、a-con自体のデジタルマーケティングの推進や
NPO支援プロジェクトのメンバーとして、NPOのコミュニケーション支援の活動を実施中。

営業職をメインとしながら、フリーランスとして飲食店経営や和太鼓演奏をする志保あかねさん

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法政大学キャリアデザイン学部出身
学生時代に和太鼓を知り、プロ集団「太鼓衆一気」に入団。イギリス芸術祭に5年連続出場、演奏依頼や講師活動で収入を得る。
太鼓6年目にめちゃめちゃ美味しいビールとの出会いを果たし、他業界への興味も捨てきれなかった為、(株)和飲風土 貿易部にてフランスビールの営業職をスタート。
関わる人が増えタイミングの良さも相乗し、愛育中のチンアナゴがコンセプトの飲食店”Cafe&Barちんあなご”を2ヶ月に一度のペースで有楽町にて開催。全開催日満席を果たし、経済産業省グッドアクアリウムデザイン賞を受賞。

トークの裏ではグラレコアーティストの本園大介さんによるグラレコアートも進行していきます。

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まずは

『どうして”ちょっと変わったキャリアになったの?』
というテーマからスタート!

(※登壇者の氏名は敬称略になっています)

高村 「皆さんが現在のキャリアを辿るようになった経緯を教えて欲しいです。どこまで自発的に意思決定したのでしょうか?偶然チャンスに出会う場合もありますよね?」

志保 「私はシングルマザーの家庭で育ったんですが、結婚や離婚で自分の人生が変わってしまうのはなんでだろう?ひとつの会社でずっと働かなきゃいけないのはなんでだろう?って小学校くらいの頃から考えていたんです。世間の働き方にずっとモヤモヤを抱えていて、周囲が就職しても、悩み続けていました。そんな時に今現在プロとしても活動している和太鼓に出会ったんです。和太鼓に一目惚れしちゃったんです(笑)今は和太鼓の他にも複数の仕事を掛け持っています。あと、ギャップ萌え、って言葉があるんじゃないですか。私はそれって人間の魅力のひとつだな、って思っていて。ふたつのことを両方できた時に快感があったんです。それが今のパラレルキャリアの原動力になっています。」

渡辺 「私ははっきりとパラレルキャリアに目覚めたタイミングがありました。一番最初は自分のキャリアをどうしたいのか、って不明瞭だったんです。それで会社に入社して秘書課に配属になっても悩みまくっていて。いろいろモヤモヤを抱えていました(笑)そんな時に父親に『辞めさせられるくらいの覚悟でやっていないのに、辞めても意味がない』って言われたんです。それで、『もうこれは直接行動を起こすしかない』って思って、社長に手紙で直訴したんです。その直訴をきっかけに社長直下の新規プロジェクトを率いることになって、自分が考えてるのとは違うキャリアの築き方があるのかも、と思ったんです

太田 「僕の場合はマンションを購入した時に、そのマンションの理事会の長になったのがきっかけですね。理事長は経験したことなかったんですけど、自分が経験したことないことでも、実際にやってみると面白いし、意外と自分にもできることあるな、って発見があったんです。それと、本業で忙しい波が落ち着いた時に、自分のキャリアを考えるタイミングがあって。そこでたまたまNPOの説明会を見つけて顔を出してみたのが今の活動にも繋がっています。NPOの活動でいろいろな刺激を受けて、そういった団体を支援したい、という想いが自分の中に生まれました。ひとつの会社に勤めているだけだと、どうしても考え方が固定されちゃうんですよね。僕はもうひとつキャリアを持つことで、考え方も柔軟になったと感じています

星野 「僕は理由がふたつくらいあって。ひとつは大学の時にキャリア教育のNPOをやっていたんですね。その団体では当時、『できるかできないかじゃなくて、やるかやらないかだ』っていう標語が流行っていて(笑)その時、僕は人前で喋ったことのもないのに、200人の高校生の前で講演をする機会があったんです。その時に経験がないことでもやるしかない!って状況になって。それが『自分がやったことないことでも、やればできる』っていう経験でした。

もうひとつのきっかけは東日本大震災ですね。僕は地方に行ったことがなかったんですけど、会社の先輩や僕のNPOの活動を知ってくれている方々が背中を押してくれて。その後、福島に1年間ほど住みました。自分のやりたいことが会社内に広がると、色々な誘いが来るようになるんですよね。僕の場合はNPOのマーケティングや、東北創生とか、声を挙げてみたら誘われるようになって、そこからキャリアの幅は広がりましたね」

高村 「パラキャリをはじめたい方はまずは“王道”を知りたがる方々が多いんですけど、誰にでも当てはまる最短ルートはないんです。『プランド・ハップンスタンス』という言葉があって、実はキャリアの大半は偶然によって形成されるんですよね。だから、その偶然が形成されるように行動するのが大切で。その道が正しいとは限らないけど、似たような道を選ぼうという考え方があるんです。偶然に飛びついてみると、意外と道は拓けるものなんですよね。あとは、自分のやりたいことを発信し続けると、周りからチャンスがやってくることもありますよね」

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Q.普通の副業に興味はありますか?

太田 「興味はありました。少し前に勤務している会社が副業解禁になって、『副業ができるんだったらなんかやろうかなあ』と思いました。でも、今はちょっと気持ちの変化があって。お小遣い稼ぎの副業ではなくて、自分のやりたいことってなんだろう、って考えるようになりました。それが結果的に今の活動につながったんです。お金が先行する副業よりも、自分のやりたいことに挑戦し続けていきたいですね

志保 「私も興味はあります。私の性格上雇用されるとどうしても甘えちゃうんですよね(笑)やらないと死ぬぞ、という状況じゃないと動けない性格で。常に崖っぷちの状況に自分を追い込みたいんです。だから、私の場合は『副業はやったことないことだから、やってみたい』という好奇心の部分が大きいかな

渡辺 「私は自分は直接お金をもらう場になると引いちゃう性格で。自分ひとりだとなかなか商品の良さをアピールできなかったりするんです。でも、お互いに補ないながら自分ひとりではできないことをするのが会社だと思っていて。副業を考えるのは、そこで思い切り仕事をしてからでもいいのかな、って思っています。それに今は夫が岐阜に開いたレストランを手伝っていて、それが副業になっていますね」

高村 「家族や親戚がリソースになる場合もありますよね。星野さんはどうですか?」

星野 「興味はありますね。副業だからこそ、『できないけど、やってみたい』に挑戦できますし、それが許される。僕の場合は自分の『できる』と『やりたい』に時間を割きたいと思っています。全く自分と関係性がなくても、受け入れてくれる場所って、探せば割とあるんですよね。最後にマッチングするのはその人が持っているスキルとかよりも人柄だったりしますし。」

高村 「最初から副業でお金を稼ごうってなると、自分の持っているスキルを単純に横展開してしまって、結局アルバイトみたいな時間の切り売りになってしまいがちですからね。やったことがないことでも、挑戦できるのが複業のメリットでもありますよね」

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Q.パラレルキャリアで感じたメリット、シナジーは?

星野 「シナジー、実はめっちゃあります(笑)2、3年前は事業企画の仕事をやっていたんですけど、ソーシャルセクターなどのNPOや非営利団体と官公庁と民間。この三つを掛け合わせて事業をしていたんですね。その時にお互いの情報発信でスキルのシェアが生まれたり、副業で出会った人と一緒に本業で仕事ができるようになりました。副業が自分の仕事にもつながるし、本業と副業で相互作用が生まれましたね

志保 「チャンスが広がりますよね。和太鼓だけじゃ出会えなかった人とも出会えるし、仕事にもつなげることができています。それに普通の和太鼓奏者じゃ掴めない情報も手に入ります(笑)

それと、自分自身のモノの見方にも変化がありました。和太鼓は自分たちで一から演奏を作り上げるモノ。でも、私が営業をしているフランスビールはすでに出来上がっているモノをどうアピールするか、良さをどう伝えるか。このふたつは異なりますよね。だから、和太鼓でもお客さんの声を聞いてから演奏を作り上げたら、また違う作品ができたんじゃないか、って思いますし、フランスビールはより作り手のことを考えるようになりましたね」

太田 「副業をするとコミュニティが広がりますよね。僕も本業でも今までとは違う視点が生まれるし、今まで出会えなかった人と接点ができました。副業をすると、色々な方向からのリターンがあります。僕も社内の違う部署から声がかかったり、新しい繋がりが生まれました。それこそ、副業をはじめてから一年足らずでガラッと変わりましたね」

渡辺 「立場を掛け持つことの意味合いって大きいですよね。私も一時期、会社に通いながら大学院に通っていたんですけど、ふたつの立場から俯瞰した視点が持てるんですよね。会社員と学生で、それぞれの言語で喋れるようになるというか。ふたつの間を取り持つ翻訳家になったイメージですね。

私は何よりも自由が好きで(笑)名刺をふたつ持つと、誰にも侵されない領域を作れて、そこで自由に動けるな、と感じています

高村 「どんなパラレルキャリアでもシナジーって必ず生まれてくるんですよね」

トークタイムのあとは質問タイムに。

「副業を長続きさせるには?」という話題になりました。

高村 「まずは試してみて、自分が楽しむって重要なキーワードですよね。社会人って時間が限られているし、それが義務になっちゃうとひたすら辛いじゃないですか。だからまずは、やってみて楽しいことから始めるのがパラレルキャリアを長続きさせる秘訣だと思います」

いかがでしたか?

パラレルキャリアには、人それぞれ、色々な形がありますね。

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