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2024.08.23
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近年注目を集める働き方の一つが「複業」です。本業と並行して別の仕事に就くことで、スキルアップや自己実現、さらには地域社会の活性化にも繋がると期待されています。
一般企業での経験を活かし、現在は地域中小企業支援に携わる田中成美さんは京信人材バンクの複業サービスでは「まちのタレント」として京都を中心に活躍しています。田中さんは複業の魅力を「新たな可能性に挑戦できること」と語ります。
※編集部注釈
まちのタレントとは?
京信人材バンクに登録いただいている複業人材の総称です。会社員やフリーランスなどの複業人材が登録されており、各分野での経験とスキルを活かして地域社会の活性化を目指しています。主なタレントには、チームビルディング部やゼロイチ企画部、デジタルマーケティング部、社外広報部など、様々な専門分野で活動する人々が含まれています。
詳しくはこちらをご覧ください。
複業は個人の成長だけでなく、地域と都市部の人材をつなぐ架け橋となり、イノベーションを生み出す原動力にもなり得ます。
京信人材バンクは、複業人材と企業のマッチングを通じて、こうした複業の可能性を最大限に引き出すプラットフォームを目指しています。
本記事では、田中さんの経験を通して、複業の可能性と課題、そして未来への展望を探ります。
<Profile>
田中成美
ASTANE代表
滋賀県生まれ 新卒で入社した中小企業でデジタルマーケティング部を立ち上げ、年間売上を向上。2023年にASTANEを創業。現在は、中小企業のマーケティング支援や、チームづくりの研修を行う。
―まず、田中さんが複業を始めようと思ったきっかけについて教えていただけますか?
はい。まず、私が独立を意識し始めたのは、父の突然の死がきっかけなんです。
最後の会話からわずか2時間後くらいに急性大動脈解離で父が亡くなってしまったんです。その経験から、「人生は予期せぬ瞬間に幕を閉じるものなんだ」と痛感しました。それまでは会社員としてのキャリアを全うすることだけを考えていましたが「自分の人生もいつ終わるかわからない。後悔しないように自分の意志で切り拓いていきたい」という強い思いが芽生えたんです。
―それは・・・大変な経験をされましたね。お父様の死をきっかけに、人生観が大きく変わったのですね。
そうですね。それまでの「安定=会社員として働く」という考え方から「自分の力で生きる力をつけなければ」という意識に変わりました。実は少し前から「このまま1つの会社で生きていく人生でいいのかな」とか「自分がもっと社会に貢献できる方法はないのか」など考えていたところだったので、父に背中を押してもらったような気持ちでした。
ー独立を意識したんですね。
はい。ただ、いきなり会社を辞めて独立するのはリスクが高すぎる。そこで、前職の社長に相談したところ「独立は並大抵なことではないよ。まずは複業から始めたらどう?」とアドバイスをもらったんです。
―なるほど。そうだったんですね。複業を始める前、やはり不安はありましたか?
やっぱり「どこから始めればいいかわからない」ということでした。私の場合はデジタルマーケティングのスキルがありましたが、それをどう活かせばいいのか、最初は悩みましたね。
そんな時に、コミュニティ・バンク京信の「京信人材バンク」という複業人材のマッチングサービスを知りました。同世代の矢野さんと新田さんが共同代表として立ち上げられたことに興味を持ち、話をさせてもらいました。「地域の企業と人材を繋げていきたい」という想いにとても共感し、私も何か地域の企業さんのためにできることをしたいと。
―具体的にはどのようなサポートがあったのでしょうか?
まず、私のスキルや経験、希望する働き方などを詳しくヒアリングしてくれました。そして、それに合ったクライアント企業さんを紹介してくれたんです。
―実際に仕事を始めてみてどうでしたか?
京信人材バンクのサポートがあったおかげで、自分のスキルに対して自信が持てました。特に良かったのは、クライアント企業とのマッチングを丁寧に行ってくれたことですね。
例えば、京都の老舗和菓子屋さんのSNS運用の伴走支援では、事前に2回ほど面談の機会を設けてくれました。そのおかげで、お互いの期待値をすり合わせることができ、スムーズにプロジェクトを始められたんです。
―複業する上で、京信人材バンクのような仲介者の存在は大きいのですね。
そうですね。特に複業を始めたばかりの頃は、信頼できる仲介者の存在は重要だと思います。直接企業と契約を結ぶのは、何かトラブルなどが起きた時に1人で対応しないといけないのでリスクもあります。京信人材バンクのようなプラットフォームがあることで、お客様との信頼関係を築くことができ、お互い気持ちよくお仕事ができると思いますね。
―それは、複業を始めようと考えている人にとって、心強い話ですね。
はい。複業は可能性に満ちていますが、始める際には信頼できるサポートを得ることが大切だと思います。京信人材バンクとの出会いは、私の複業人生の大きな転機になりました。これから複業を考えている方にも、こういった支援サービスを積極的に活用することも選択肢の1つだと思います。
―複業を通じて、新たな気づきや可能性を感じることはありましたか?
そうですね。まず、自分自身の可能性の広がりを実感しました。多様な課題解決の経験が自信につながりましたし、地域企業の潜在的な魅力に気づかされました。技術や商品の素晴らしさはあっても、それを適切に発信できていない企業が多いんです。そこに、私たち複業人材が貢献できる大きな可能性を感じています。また、自分のスキルに自信が持てましたし、もっとスキルを磨くために勉強したいと前向きな気持ちにもなりました。
―地域活性化における複業の役割についてはどのようにお考えですか?
複業は、都市部の人材と地方の企業をつなぐ重要な架け橋になると考えています。例えば、東京で最先端のマーケティングを学んだ人材が、地方の伝統産業の魅力発信に携わる。そういった「化学反応」が、地域に新しい価値を生み出すと思うんです。
―複業が個人と地域、双方に良い影響を与えているんですね。
そうですね。複業は単なる副収入の手段ではなく、個人の成長と地域の活性化を同時に実現できる、新しい働き方のモデルだと考えています。これからも、この可能性をさらに追求していきたいですね。
―複業にはメリットがたくさんありそうですが、課題もあるのではないでしょうか?
私が感じる課題は、時間管理の難しさと、一人で全てを行う孤独感や負担感です。ただ、これらは事前に認識し、適切な対策を取ることができると思います。例えば、プラットフォームを利用したり、同じように複業をしている仲間とのネットワークを作ったりすることが有効だと思います。重要なのは、課題やリスクを理解した上で、自分なりの対策を考えながら複業に挑戦することだと思います。
―複業人材と企業の理想的な関係性は、どんなものだと思いますか?
理想的な関係性は「仲間」という感覚だと思います。お互いがWin-Winの関係を築き、企業にとっては社員の一員のような存在になる。そういった関係性が築けると良いですね。
ーそれって、確かにいい関係性ですね。
具体的には、企業側は複業人材の専門性や外部の視点を尊重し、柔軟な働き方を認める。一方で、複業人材は単なる請負ではなく、その企業の課題や目標に深く共感し、主体的に貢献する。そんな関係性が理想だと考えています。
―面白い関係性ですね。そのような関係性から、どのような可能性が生まれると思いますか?
新しい価値やイノベーションが生まれる可能性が高まると思います。企業にとっては世界が広がり、複業人材にとっては可能性が広がる。そういう意味で、本質的にWin-Winの関係が築けると思うんです。
―複業のような新しい働き方が、社会にどのような変革をもたらすと思いますか?
個人のキャリア観や、企業の人材活用の在り方が大きく変わってくると思います。複業を通じて、一人ひとりが自分の強みを活かし、柔軟に働ける社会が実現していくのではないでしょうか。そんな変化を、京信人材バンクのようなサービスが後押ししてくれると期待しています。
―最後に、今後の発展についてお聞かせください。
そうですね。例えば、複業人材の育成プログラムや、地域企業向けの複業活用セミナーなど、複業をしたい人が一歩を踏み出せるように教育面でのサポートをしていきたいと考えています。また、複業を通じた地域振興策の立案・実行にも関わっていきたいです。
―田中さんご自身は、どのような未来像を描いていますか?
私自身は、デジタルマーケティングや広報人材を育成する「スクール」のような場を立ち上げたいんです。スキルだけではなく、複業のスキルやマインドセットを学べる場を提供し、WEBやSNSなどの広報サポートが必要な地域企業とスクールで学びを深めた複業人材をお繋ぎする。個人の可能性を最大限に引き出しながら、地域の課題解決にも貢献できる。そんな好循環を生み出していきたいですね。
一人ひとりが自分らしく輝ける社会、そして地域の魅力が最大限に引き出される社会。そんな未来を実現するために、これからも挑戦を続けていきたいと思います。
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